NTT西日本は大日本印刷やNTTシスコムと共同で、ICタグを使って、動き回る園児を認識できるかどうかの実証実験を10月上旬から始める。ICタグを名札に付け、リーダーで園児を認識してWebカメラで撮影。保護者は、インターネット経由で園児の姿を確認できる。ICタグ付きの名札は、保護者の承諾を得た園児のみに配布する。

 実証実験は、和歌山県の幼稚園で3カ月をかけて実施する。ICタグ付きの名札は約100枚配布する予定。NTT西日本が園児の映像を送信するためのネットワークとしてフレッツ網を、大日本印刷がICタグやリーダー/ライターを提供する。ミドルウエアの開発は大日本印刷が、アプリケーションの開発はNTTシスコムが担当する。

 リーダーが読み取ったタグの情報は、管理サーバーに送られる。サーバーでは、運動場や室内に設置するリーダーの位置と読み取ったタグの情報を組み合わせ、園児の位置を把握する。園児の姿を見たい保護者は、インターネット経由で管理サーバーにアクセスする。ログイン後、園児の名前を入力すると、その園児の位置に一番近いWebカメラが対象の園児を映しだすという仕組みだ。タグ自身には園児を特定する情報は入れず、サーバー側でタグ情報と園児とを関連付ける。

 NTT西日本BBアプリケーションサービス部の熊原由恭氏は、「今回の実験の結果をBフレッツやフレッツADSLの拡販につなげたい」と話す。NTT西日本ら3社は10月中旬から、倉庫にあるパレットにICタグを取り付け、在庫をインターネット経由で管理する実証実験も実施する。

松浦 龍夫=日経コンピュータ