日本オラクルの子会社であるミラクル・リナックスは9月25日、セキュリティ対策ソフト「MIRACLE HiZARD」を発表した。システムのセキュリティ強化に対する要望が高まるなか、同製品の提供でサーバー向けLinuxOS「MIRACLE LINUX」のセキュリティを高め、ビジネス拡大を狙う。

 MIRACLE HiZARDは、韓国でセキュリティ事業を手掛けるセキュブレインのセキュリティ対策ソフト「Hizard」を日本語化したもの。「OSのカーネルで直接動作するので、バッファ・オーバーフロー攻撃や新種のウイルスによる被害をOSのレベルで防ぐことができる」(ミラクル・リナックスの佐藤武社長)。製品としてはOSと独立しているものの、実質的にMIRACLE LINUXのセキュリティを高める役割を果たす。「エンタープライズ分野のセキュアOSに対する需要にこたえたい」と佐藤社長は話す。

 9月25日に開催した発表会には、日本オラクルの新宅正明社長も出席。「エンタープライズ向けのサーバーOSでは強固なセキュリティが不可欠。今回セキュリティを一層強化したことで、ミラクルが日本のLinux市場を牽引していく体制が整った」と意気込む。

 MIRACLE HiZARDの価格は、1ノード単位で80万円から。10月20日に出荷する。年内をメドに、Windows版とUNIX版も出荷する予定だ。

 ミラクル・リナックスはセキュブレインのほか、MIRACLE LINUXの韓国語対応を手掛けるジェネビックと提携した。ジェネビックは来年をメドに、韓国におけるMIRACLE LINUX韓国語版の販売を始める。

大和田 尚孝=日経コンピュータ