![]() 写真1●商品に貼付されたICタグ |
ICタグは、(1)商品に貼付する(写真1)、(2)商品を複数詰めた箱に貼付する、(3)消費者モニターに配布する、の三つの方法で利用する。(1)には「ラベル型」を使い、大(85.6×54mm)、中(50×50mm)、小(32×16mm)があり、それぞれに非金属用と、金属用があるので合計6種類。(2)には85.6×54mmの、ラベル型とカード型を使う。(3)は85.6×54mmのカード型だ。
(2)のICタグは、検品作業や在庫管理といった、物流の効率化に利用する。マルエツ商品本部物流部の高橋晋部長は、「どれだけ検品作業が効率化するかだけでなく、商品や箱にはったICタグが、傷や汚れ、温度といった条件に耐えられるかも確認したい」と話す。
![]() 写真2●ICタグの文面 |
![]() 写真3●ICタグを読み取って情報を表示する端末 |
ICタグの周波数は当面13.56MHzのものを利用する。11月からは、使用する周波数帯がUHF帯(300M~3GHz)のICタグを使った実験も行う。UHF帯を利用するICタグは、13.56MHzのものと比べて通信距離が長いため、フォークリフトが倉庫に荷物を運び入れる際に、倉庫の入り口部分のリーダーで入庫と検品を同時にできるなど、作業の効率化が図れる。ただし、ICタグにUHF帯を利用することはまだ認められておらず、総務省の許可を得る必要がある。
マルエツは今回の実証実験で、食品流通業界全体の効率化による競争力強化と、商品トレーサビリティへの対応を狙っているという。高橋部長は、「実験結果を見てICタグの導入をやめることは決してない。来年にも実用化したい」と意気込む。