デルコンピュータと日本オラクルは9月18日、共同営業の体制を整えたことを発表した。協業の骨子は大きく三つ。デル製ハードウエアとオラクル製データベース・ソフトを組み合わせたセット商品のメニューをそろえる、両社が共同で新規顧客を開拓する、共同で製品サポートを始めること、である。なかでも目玉はセット売り。個別に買うよりも3割程度割安になる。

 「世界に先駆けた日本発の協業体制」と日本オラクルの新宅正明社長は説明する。デルコンピュータはエンタープライズ市場へこれまで以上に進出するきっかけにしたい考え。同社の浜田宏社長は「今回の協業などを通してIAサーバー市場でシェア1位を獲得したい」と意気込む。

 セット販売では、デル製の中位機「PowerEdge 1750/2600/2650」にオラクル製データベース・ソフト「Oracle 9i Database Standard Edition」を組み合わせる。Windows版とLinux版を用意し、合計で6パターンのメニューをそろえた。価格は75万5000円から。新宅社長は「今年度、セット販売だけで、両社で二桁の億の売り上げを見込む」という。11月以降、オラクル製のアプリケーション・サーバー、コラボレーション・ツール、ERPパッケージなども順次セット販売していく。データベースの次バージョン「Oracle 10g Database」も出荷次第メニューに加える。

 メニュー以外のシステム構成を要望する顧客には、デルのコンサルティング部隊「デル・テクノロジー・コンサルティング(DTC)」が要望に沿ったシステム構成を提案する。デルはメニュー化されたセットの販売よりも、DTCサービスで個別に構成した場合の売り上げのほうが多くなるとみている。なお、デルからセット商品を購入する場合でも、オラクル製品の保守サポート契約はオラクルの販売パートナと結ぶ。

 共同営業では、デルとオラクルの法人営業部隊が共同で電話とインターネットを使って新規顧客に営業をかける。共同サポートについては、デルのサポート窓口が一括して引き受ける。デルのサポート窓口が顧客のトラブル報告に対し、問題の切り分けを担当する。ハードウエアの問題があれば、デルのサポート要員が対応し、オラクル製品に問題があればオラクルの販売パートナに状況を伝える。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ