「デジタル・コンテンツの販売やADSL通信料金などが定額制になっているのは、通信事業者が独自に構築した課金システムに柔軟性がないためだ。顧客のニーズに合わせたさまざまな課金体系を提供することで、シェアが2位や3位の通信事業者でも、利益率を改善できるようになるだろう」。通信事業者向けの課金パッケージ・ソフトを提供する米ポータル ソフトウェアのバスカー・ゴーチ マーケティング/アライアンス担当上席副社長(写真)は、こう語る。

 同社の課金パッケージ「Infranet」は、通信料金の後払いや前払い、様々な割引き制度などを自由に設定して、課金できる特徴を持つ。「課金体系を変更するのにプログラミングの必要はない。どのような割引きサービスが利益にどう影響するかをシミュレートする機能も備える」(ゴーチ上席副社長)という。すでに携帯電話会社やインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)やコンテンツ・サービス・プロバイダなどに導入実績がある。

 携帯電話料金を例にとると、「両親が持つ携帯電話は自由に使えるが、子どもが持つ携帯電話は一定の通話料金までしか利用できないようにする」、「ADSLと携帯電話を両方利用している場合は、通話料金を割り引く」、「1年間利用することを約束すると、料金を割り引く」といったことが考えられる。携帯電話会社では、英ボーダフォンがすでに導入しており、ボーダフォン日本法人も現在導入作業を進めている。

 Infranetの価格は、利用する機能によって個別に見積もる。一般的に通信事業者は加入者数や収益に応じたソフトのライセンス料を支払う形態をとる。

(坂口 裕一=日経コンピュータ)