インターネットイニシアティブ(IIJ)は9月16日、第三者割当増資の払い込み手続きを完了した。増資額は120億円、うち60億円を資本金に組みこむ。

 増資した120億円のうち、103億5千万円をNTTグループが引き受ける。103億5千万円の内訳は、NTTの持ち株会社が96億円、NTTコミュニケーションズが7億5000万円である。これにより、NTTグループがIIJの株式の31.6%を保有する筆頭株主となり、IIJはNTTの連結対象会社になる。

 IIJは「経営は今まで通りで影響をうけない」とし、NTTも「新技術の開発や新事業を展開していくうえで業務提携を行う。IIJの自主的な経営を尊重する」としている。ただしNTTは、IIJに取締役および監査役を3名を上限に派遣することを併せて発表している。

 IIJは2003年3月期決算で債務超過に陥ったほか、関連会社のクロスウェイブ コミュニケーションズなどが8月20日に会社更生法の適用を申請するなど企業存続の危機が続いていた。今回の増資に応じたのは、NTTグループのほか伊藤忠商事や住友商事などである。

(鈴木 孝知=日経コンピュータ)