企業向けパッケージ・ソフト・ベンダーのシンコム・システムズ・ジャパンは9月12日に、電話交換機や電源装置といった企業向けオーダーメイド(受注生産)製品の販売担当者を支援するソフト「シンコム・ナレッジビルダー日本語版」の販売を開始した。担当者のノウハウをシステムで利用することで、受注した製品の仕様を決めたり、価格を見積もる作業の効率化を狙う。

 オーダーメイド製品を受注する際には、製品を構成する部品同士の組み合わせに関する制約や、顧客の予算などを考慮に入れて製品を設計する必要がある。担当者がそのスキルを持たないと、品質や価格に関して顧客が求める条件を満たした製品を提示できなかったり、見積もりに時間がかかったり正確でない可能性がある。結果的に、顧客満足度の低下や販売機会の損失につながりかねない。

 だが、そのようなノウハウはこれまで熟練した担当者が個人的にしか有していない場合が多かった。シンコム・ナレッジビルダーは、スキルの高い担当者のノウハウをシステム化した「ナレッジ・データベース」を利用することで、設計書や見積書を適切に作成できるようにすることを目指している。

 ナレッジビルダーでは製品の仕様作成や見積もりに加えて、製品の設置場所のレイアウト設計を支援する機能も備える。動作環境はサーバーがWindows NT/2000(データベースはOracleまたはSQL Server)、クライアントがWindows NT4.0/98/2000/XP。SAPジャパンのERPパッケージ(統合業務パッケージ)であるR/3などの在庫管理システムと連携させることも可能。価格は300万円から。今後1年間で3億円の売り上げを目指す。

松浦 龍夫=日経コンピュータ