オブジェクト指向のモデリング言語である「UML」の活用を目指した特定非営利活動法人(NPO法人)「UMLモデリング推進協議会(UMTP/Japan)」は今年11月、UMLによるモデリングの技能を認定する試験を開始する。認定レベルは4段階で、認定試験はコンピュータを使ったCBT(Computer Based Training)形式で実施する。

 4段階の認定レベルは、それぞれに目安となるモデリングのスキルが示してある。例えば最下位レベルの「L1」は「UMLによる簡単なモデルの意味がわかる」、L1の上位である「L2」は「UMLモデルの読み書きができる」といった具合だ。その上のL3は「実務でモデリングが実践できる」、L4は「実践に基づいてモデリングを指導できる」とされている。

 L1やL2などの認定を受けるには、規定の試験に合格することが必要となる。例えばL1の認定には二つの試験が課されている。具体的には、オブジェクト指向の基礎概念やUMLの入門知識を問う「T1」と、UMLの初級知識やオブジェクト指向モデリングの初級、オブジェクト指向による反復型開発の入門スキル・知識を試す「T2」である。

 今年11月にはひとまずT1の試験がスタート。続いて早ければ来年2月にもT2が始まる。CBT形式の試験は、全国各地の試験実施業者が用意した試験会場で行う。受験料はT1とT2がそれぞれ1万5000円の予定。試験の実施日時や試験時間、合格基準、試験の申し込み方法などの詳細は、UMTP/Japanが来月をメドに別途発表する。このほかL2~L4の3レベルについては、「現在はまだ試験科目を検討中の段階。決まり次第、順次公開していく」(UMTP/Japan事務局)。

 UMTP/Japanが実施するモデリング技能の認定試験は、オージス総研が実施しているUML認定試験の後継版に位置付けられる。オージス総研のUML認定試験のうち、「Bronze」、「Silver」、「Gold」の合格者は、今年11月から来年1月の間にオージス総研のサイト「OGIS UML University」で再登録すれば、新試験のうちT1の試験が免除される。なお、新試験の開始に伴い、オージス総研のUML認定試験は今年10月に終了する。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)