クライアント管理ソフトを開発・販売する米LANDesk Softwareのジョー・ワングCEOが来日し、日経コンピュータの取材に応じた。会見の要旨は以下の通り。

──景気が停滞する中、御社の業績は順調だ。
 我々のソフトの特性は“システムの総コストであるTCOを短期間で下げる”というものだ。日本や米国では景気低迷からコスト削減圧力が高まっている。その状況下で我々のソフトの特性が評価されたと考えている。景気の停滞は我々にとっては追い風だ。

──米国と日本で違いはあるか。
 ユーザーが、コスト効果が明確で、かつ短期間で効果が見込めるものを求める点は米国と日本で変わりはない。ただクライアント管理の分野では、アメリカのユーザー企業は小規模なソフト・ベンダーの製品を好まない傾向がある。世界規模のサポートと、適切な投資による技術革新をベンダーに期待するからだ。日本と比べて米国は、クライアント管理ソフトを開発・販売している企業の規模が大きく、数は少ない。

──日本市場にどう取り組むか。
 日本は市場規模も大きく、これから伸びるマーケットだと考えている。競合他社が多くいるが、市場が成熟してくるとインベントリの収集機能やリモート・コントロール機能といった単純な機能だけを備えた製品でなく、機能の多いスイート製品を求めるようになってくる。その時に我々の強みが生きてくる。

──日本法人の課題は。
 日本法人が営業を開始して約9カ月。ビジネスは確実に成長している。ただし、LANDeskという企業や製品について、もっと認知度を高めなくてはいけない。クライアント管理ソフトは導入を速断し、早く使うほど効果の高いソフトだ。日本の企業にそれをより実感してもらえるマーケティングを心がけていく。

(松浦 龍夫=日経コンピュータ)