バーコード・システムやPOSシステムを手掛ける東芝テックは11月、10円玉サイズのICタグ「コインタグ(仮称)」を出荷する(写真上)。タグ内のアンテナを円形にすることで、リーダー/ライターとの向きによる読み取りのばらつきを減らしたことが特徴だ。ICタグ1個当たりの値段は25~40円(1億個の場合25円、1000万個の場合40円)。「他社のICタグの2分の1から4分の1に価格を抑えた」(東芝テック流通情報システムカンパニーの和田弘技師長)。

 コインタグの通信距離は60センチ。和田技師長は、「通信距離よりもアンテナの向きによる指向性の問題を解決することを重視した結果、60センチに落ち着いた」と説明する。使用する周波数帯は2.45GHz。データは書き換え可能で、メモリー容量は256ビット。日本インフォメーションシステムが開発し、東芝テックが販売する。

 東芝テックではコインタグの認知・普及を図るため、「評価用お試しパック」も販売する。コインタグ100個と据え置き型のリーダー/ライター、アンテナ、読み取り用のソフトウエアからなる。通常100万円ほどの価格になるものを75万円に抑えた。ソフトウエアを動作させるパソコンやデータ管理用サーバーは自前で用意する必要がある。

松浦 龍夫=日経コンピュータ