Linuxディストリビュータのターボリナックスは8月19日、同社のWebサイトで、クライアント向けLinuxの新製品「Turbolinux Desktop(仮称)」(写真)のベータ版を公開した。ベータ版ユーザーからのフィードバックを受けて製品化を進め、今年10月には正式出荷する。

 Turbolinux Desktopは、カーネルに最新の2.6を採用。現在提供している「Turbolinux 8 Workstation」の後継製品に当たる。現行製品はクライアント向けとしても販売しているが、Workstationという名称から、CAD(コンピュータによる設計)や画像処理といったUNIXワークステーションでの用途を連想させてしまうと判断。ターゲットを企業や家庭向けのクライアントOSであると明確にするために名称変更し、売り出す。

 特徴は、クライアントOSとしてWindowsから移行しやすいような工夫を凝らしたことである。Windowsの操作しか知らないユーザーのためにショートカット操作をWindowsの方式に合わせたり、「マイドキュメント」や「マイコンピュータ」といったWindowsでなじみ深い名称のディレクトリを用意して、ショートカットをデスクトップ上に表示したりする。同じLAN上にある、共有設定にしたWindowsパソコンとファイルをやり取りすることも可能だ。

 ターボリナックスの久保和広プロダクトマネージャは、「最近話題の競合製品『LindowsOS』に比べ、日本で開発している点で優位にある」と主張する。LindowsOSはインターネット関連事業を手がけるエッジがこの8月29日に出荷を始めるクライアント向けLinuxで、米リンドウズ・ドットコムが開発した製品。日本語化はエッジが担当するが、久保マネージャは「ターボリナックスでは開発から日本で行い、サポートも国内エンジニアがすべて対処している」と違いを強調する。

 Turbolinux Desktopの製品価格は未定だが、前製品のTurbolinux 8 Workstation(1万5800円)とほぼ同じになる見通しである。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ