NTT-MEは7月28日、共用型のIPセントレックス・サービスの提供を開始した。IPセントレックス・サービスは、通信事業者が提供するPBX(構内交換機)機能をIPネットワーク経由で利用できるようにするもの。共用型のIPセントレックス・サービスは一つのPBXを複数のユーザー企業で共有するので、専用型よりも利用料金が安くなるという利点がある。NTT-MEは昨年10月から、同サービスの専用型メニューを提供している。

 NTT-MEが提供を始めた共用型IPセントレックス・サービスの名称は「XePhion(ゼフィオン)コールIPセントレックス 共用型メニュー」。すでにNTTコミュニケーションズや富士通、フュージョン・コミュニケーションズなどが同種のサービスを提供しており、NTT-MEは後発になる。

 同社の矢野厚 取締役VoIP&ソリューションビジネス本部長は、「当社の新サービスは、企業内に設置する従来のPBXと同等の機能を有する点で他社と異なる」と強調する。「他社のサービスは、代表番号や内線番号といった機能しか持たないものが多い。NTT-MEのサービスは、発着信規制や、一つの電話機で電話番号が異なる他部署にかかってきた通話を受けられるようにする機能などを持つ。これらが可能なIPセントレックス・サービスはまだ少ない」(矢野取締役)。
 
 XPehionコールIPセントレックス 共用型メニューの利用料金は、月額基本料が1番号あたり1000円から。これは他社のサービスとほぼ同じ料金である。拠点間だけでなく一般電話とも通話ができ、その場合の通話料は3分8円。

NTT-MEのおためしパック NTT-MEは新サービスの開始に合わせて、8月1日から電話機やルーターなどの機器や工事をパッケージにした「おためしパック(写真)」を提供する。利用者はこのパックを使って、小規模拠点でIPセントレックス・サービスの機能や操作性、音声品質などをテストできる。矢野取締役は、「各社のIPセントレックス・サービスが持つ機能には差がある。このため、本当に従来のPBXと同じ機能が使えるかどうかを試してみたいというユーザー企業の声が多い」と話す。

 おためしパックは、IP電話の標準プロトコルであるSIPが使える電話機5台と、スイッチング・ハブ1台、VPNルーター1台、基本工事費で構成する。価格は29万8000円。別途、同社の「XePhionインターネットVPN」と「エンタープライズVPN」、アクセス回線としてNTT東西地域会社の「Bフレッツ」が必要となる。8月1日から8月31日まで、同社のWebサイト(http://www.ntt-me.co.jp/ipcentrex/pack.html:このサイトは8月1日から有効になる)経由で申し込みを受け付ける。

鈴木 孝知=日経コンピュータ