書籍などを扱うEC(電子商取引)大手のアマゾンジャパンは7月9日、「Amazon Webサービス」を開始した。これはXMLとSOAPを使って情報を配信するもので、米アマゾン本社は昨年7月から同様のサービスを開始していた。アマゾンジャパンが無償提供しているAmazon Webサービス用の開発キットを利用すれば、企業や個人のWebサイトに、最新のベストセラー動向などの情報を組み込むことができる。

 Amazon Webサービスは、利用対象として主に同社のアフィリエイト・プログラムの参加者を想定している。アフィリエイト・プログラムの参加者は、自分のWebサイトにアマゾンへのリンクを貼るなどして、アマゾンの販売増に貢献した場合に、一定の手数料を受け取ることができる。アマゾンだけでなく、売上拡大のためにアフィリエイト・プログラムを採用するECサイトは多い。

 Amazon Webサービスは、昨年6月からアマゾンジャパンが開始した「Amazonライブリンク」というサービスを発展させたもの。Amazonライブリンクも、Amazon Webサービスと同様に企業や個人のWebサイトに、アマゾンが定期的に配信する情報を自動的に表示していたが、HTML形式の情報にしか対応していなかった。

 これに対して、Amazon Webサービスは、文字通りにWebサービスを採用したため、情報を表示する際のレイアウトの自由度が大幅に向上した。サイト運営者は、アマゾンが配信するXMLデータを加工し、Webページ内の好きな場所に好きな形で本のタイトルや表紙画像を配置できる。このほかに、Webページにショッピング・カートのボタンを追加したり、書評を表示する機能も加わった。

 Webサービスを使った外部への情報提供は米イーベイが草分け。同社は2000年秋から「eBay API」の名で同様のサービスを提供をしている。

(本間 純=日経コンピュータ)