マイクロソフト日本法人は、Exchange Server 2003の日本語版を8月1日に出荷すると発表した。新版の特徴は、スパム・メールのフィルタリング機能や、メールの転送・印刷を制限する機能、無線LANを想定したセッション管理機能などである。

 スパム・メールのフィルタリング機能は、サーバー側で送信元のメール・アドレスやIPアドレスなどを設定することで、メールがクライアントに届く前に遮断するもの。大量の迷惑メールによって、社員の生産性が低下することを避けられる。

 新版のExchangeはメールの管理機能も高めた。ユーザーの属性情報に応じて、重要なメールの転送や印刷を制限する機能を新設。やり取りされているメールをすべて保管する機能も加えた。サーバーに保管したメールを随時テープなどに保存しておき、業務上のトラブルがあったときに、証拠となる過去のメールを検索できる。

 このほか、企業内で普及が進んでいる無線LAN環境での利用を想定して、サーバーとクライアントの間のセッション管理機能も改善した。従来版のExchangeとOutlookは、有線のLANでの利用を想定しており、無線LANの電波が途絶えるとOutlookを再起動する必要があった。Exchange 2003と、9~11月に出荷予定のOutlook 2003の組み合わせでは、こうした場合でもOutlookのキャッシュ機能が働いて、メールを書いたり一部のメールを読んだりできる。回線が再び繋がると、サーバーとの通信を再開する。

 Exchange 2003の推定価格は、Select Licenseの価格レベルA(購入数が少なく、最も割引が小さい)の場合、サーバー・ライセンスが8万5100円から。これとは別に、Exchangeサーバー用のクライアント・アクセス・ライセンス(Exchange Server 2003 CAL、Outlook 2003のライセンスを含む)が必要。こちらは1ユーザー、またはパソコンやPDAなどのデバイス1台あたり8200円(SelectレベルAの場合)である。

(坂口 裕一=日経コンピュータ)