ソーラーメトリックのチョクシー氏とリンスキー氏 「日本でもJavaアプリケーションでRDB(リレーショナル・データベース)を使うことが大半だろう。その際は、ぜひ“JDO”の利用を考えてほしい。使ってみると、そのメリットを実感してもらえるはずだ」。米ソーラーメトリックのニーラン・チョクシー社長(写真右)は、JDOすなわち「Java Data Objects」のよさを強調する。

 JDOは、JavaアプリケーションからRDBをはじめとするデータベースへのアクセスを容易にするためのAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)。データベース・アクセスによく使われるJDBC(Java Database Connectivity)と違い、SQL文を書かなくても永続化したJavaオブジェクトを扱うことができる。ソーラーメトリックは、このJDOを使ったデータベース・アクセス用ソフト「Kodo JDO」を販売している。

 Javaからデータベースにアクセスする際に、サーバー向けJavaコンポーネント仕様であるEJB(Enterprise JavaBeans)のエンティティ・ビーン(Entity Bean)を使うやり方もある。だが、「確かにメカニズムはJDOとエンティティ・ビーンで共通している点も多いが、エンティティ・ビーンは性能があまりに悪い」とソーラーメトリックでエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるパトリック・リンスキー氏(写真左)は語る。リンスキー氏は、エンティティ・ビーンの問題点などを説明した「Bitter EJB」という本の著者の一人でもある。

 「JDOは『オブジェクトをデータベースに格納する』という目的だけを果たす。このため、シンプルで処理が早い。だがエンティティ・ビーンは、分散トランザクション環境でコンポーネント・アーキテクチャを実現することを狙っている。なので、継承ができないなど制限が多いうえに、処理が重たい。EJB 2.0になってずいぶん改善されたが、処理速度はJDOと比べると比べ物にならないほど遅い」とリンスキー氏は話す。

 ただし、EJBを否定するわけではないとリンスキー氏は強調する。「トランザクション処理などが必要なら、EJBを使うのが有効だ。その場合、EJBのセッション・ビーン(session Bean)とJDOを併用することを勧める」(リンスキー氏)。

 ソーラーメトリックは2001年からKodo JDOを販売しており、すでに150社への導入実績がある。「日本の顧客もすでにある。ガルフネット コミュニケーションはその1社だ」とチョクシー社長は話す。「日本のディストリビュータを探している。ぜひ日本でもビジネスを開始したい」とチョクシー社長は意気込みを見せる。

田中 淳=日経コンピュータ