日本オラクルは6月18日に、中堅企業向けのERPパッケージ(統合業務パッケージ)導入サービス「Oracle NeO」の販売を開始した。Oracle NeOはERPパッケージのOracle E-Business Suite(Oracle EBS)の使用ライセンス、ハードウエア、導入サービスを組み合わせたもの。総額1億円以下に抑え、中堅企業の導入を促す。価格や料金の明細を顧客に示し、事前に提示した期間内でERPパッケージを導入するのも特徴だ。これまでERPパッケージの導入では一般に、導入期間が予定より延び、構築にかかる総額が当初の見積もりを超えることが多かった。

 Oracle NeOは38のサービス・メニューから成る。これらはOracle EBSを使ったシステム構築を担当するパートナ企業23社が作成した。具体的には伊藤忠テクノサイエンス沖電気工業CSK新日鉄ソリューションズ住生コンピューターサービスTIS電通国際情報サービス東芝東洋ビジネスエンジニアリング日本ヒューレット・パッカード日本ユニシス日立製作所など。

 メニューの内容はパートナ企業がこれまでのシステム構築実績から蓄えたノウハウを、「テンプレート」としてまとめたものだ。パートナ企業のテンプレートは、日本オラクルが認定することでOracle NeOのメニューになる。認定の基準は「解決するお客様の課題」、「新業務フローと画面・帳票の説明書」、「テスト・シナリオやテスト・データ」、「導入方法」などの6項目がそろっていること。

 ERPパッケージ最大手のSAPジャパンは、「mySAP All-in-One」という同様のサービスを提供している。このサービスとの違いを、日本オラクルの新宅正明社長は「SAPのようにパートナ企業が持っているノウハウを吸収しようとはしない。テンプレートはあくまでパートナ企業のもの」だと説明する。また、新宅社長は「このサービスなどを通して、自社製ERPパッケージのシェアを30%まで伸ばしたい」と語ったが、時期の明言は避けた。

(矢口 竜太郎=日経コンピュータ)