旧バージョンのWindowsユーザーは再び、「バージョンアップする」か「サポートなしで使い続ける」かの決断に迫られる。

 マイクロソフトは6月いっぱいで、Windows98のセットアップやインストール、基本操作に関する無償サポートを打ち切る。問い合わせ対応件数や時間帯を限定して受け付ける有償サポートと、セキュリティの問題や製品の不具合を解決する修正プログラムの新規提供についても、共に2004年1月16日をもって取り止める。大規模顧客向けの有償サポート「プレミアサポート」(料金は個別見積もり)の提供期間は2004年6月30日まで。プレミアサポートの契約企業向けには、期間中に発生した重大な問題への修正プログラムの提供を続ける。

 マイクロソフトは本来、2002年6月にWindows98の無償サポートを終了する予定だった。だが、「当時はまだWindows98ユーザーが多かった」(佐藤秀一製品マーケティング本部Windows製品部クライアント グループ プロダクトマネージャー)ため、サポート期間を1年間延長した。最近もWindows98に関する問い合わせはあるものの、「件数が発売当時の1%未満に減っており(製品の不具合などは)収束した」(同)と判断。無償サポートや修正プログラムなどの提供終了に踏み切る。

 Windows NT Workstation 4.0とWindows Meのサポートも間もなく終わる。すでに無償サポート期間を過ぎたNT 4.0については、有償サポートと修正プログラムの新規提供が今月末まで、プレミアサポートが2004年6月30日まで。Windows Me向けの無償サポートは2003年12月31日、有償サポートと修正プログラムの提供は2004年12月31日で終了となる。

 マイクロソフトは昨年10月、同社製品のサポート期間や修正プログラムの提供期限に関する新しい方針を公開。その中で無償サポート期間を5年とし、その後2年間は修正プログラムの提供と有償サポートを継続し、さらに個別契約を結んだ企業には8年目以降もサポートを続けると規定した。ただし、この新しい方針の対象となるOSはWindows 2000とWindows XP以降の企業向け製品で、Windows98やNT、Meなど旧製品には適用されない。

(栗原 雅=日経コンピュータ)