日本オラクルは6月1日、新組織「アドバンストソリューション本部」を立ち上げた。ゲーム・ソフトや家電製品の開発経験者、動画圧縮、著作権保護、医療といった分野の技術者を採用して、同本部に配属し、35人体制とした。これは6月9日、記者・アナリスト向けに開催した戦略説明会で同社が明らかにしたものである。

 同本部の目的は、各分野の業務に精通した人材を投入し、データベース管理システムの新たな用途を開拓すること。同社のデータベース製品をオンライン・ゲームのコンテンツ管理などに利用するためのオプション・ソフトを開発する、テレビ受像機の電子番組表やモバイル機器の位置情報管理などに使う機器組み込み用データベースを開発する、といった取り組みを実施する。営業統括の山元賢治専務は「世の中に流通するデータのうち、データベースに蓄積されているものは1%以下。潜在市場はまだ広い」と話す。

 日本オラクルの業績は、33.4%の増収を記録した2001年5月決算以降伸び悩んでおり、新規需要の開拓が課題となっている。異分野の技術者採用の背景には、既存の社員に刺激を与え、同社が抱える閉そく感を打破する狙いがあると見られる。

(本間 純=日経コンピュータ)