オントピアのペッパー氏 「インターネットが普及して便利になったことは間違いない。その半面、情報が増えすぎてしまい、インターネット利用者が必要な情報を得ることが難しくなっている。我々はあふれる情報の“津波”のなかでおぼれかかっている」。ノルウェーのソフト会社オントピアのスティーブ・ペッパーCEO(最高経営責任者、写真)はこう指摘する。

 ペッパー氏は、インターネットやイントラネット上で公開されている情報を効率よく検索するための国際標準規格「ISO 13250 Topic Maps(トピック・マップ)」の仕様策定を担当する中心人物の一人。「あふれる情報の中から、必要な情報を効率よく取り出すには、ネットワーク上の情報を容易に検索できるトピック・マップのような仕組みが必要だ」とペッパー氏は主張する。

 トピック・マップは、ネットワーク上に公開されている情報がどこにあるかを示す「情報の地図」の書き方や使い方をまとめたもの。コンテンツに意味情報を持たせる「セマンティックWeb」とともに、次世代Web技術として注目を集めている。

 トピック・マップでは、検索のキーワードにあたる「トピック(話題)」同士の関連付けを定義することで情報の地図を作っていく。「インターネットのポータル・サイトやイントラネットにトピック・マップを適用すれば、情報検索などに効果が得られる」と、ペッパー氏はトピック・マップの適用範囲を説明する。

 オントピアは、トピック・マップを使ったシステムを開発・実行するためのソフト製品「Ontopia Knowledge Suite」を開発している。国内では、シナジー・インキュベートが販売窓口となる。

 ペッパー氏はトピック・マップを紹介するために来日した。6月10日(詳細はこちら)と、6月11日(詳細はこちら)に東京で講演する。

西村 崇=日経コンピュータ