無線IP電話 7920G シスコシステムズは無線LANを使った携帯電話型のIP電話機「無線IP電話 7920G」を7月に出荷する(写真)。席を離れることの多い企業の社員などが、オフィスや工場などの構内で利用するための製品だ。価格は、本体とシスコのIP電話管理サーバーに接続するライセンスを含めて1台あたり10万6000円。

 シスコの無線IP電話機は、LANケーブルの代わりにIEEE802.11b方式の無線LANを使うIP電話機。無線LANを利用するとはいえ、無線IP電話機への発着信を管理するシスコのIP電話管理サーバー「CallManager」が必要なため、街中のホットスポットなどでは利用できない。

 構内で無線通話するだけなら、1台数万円で導入できる構内PHSを利用する方が安上がりである。この点についてシスコの山中理恵執行役員マーケティング担当は、「構内PHSは基本的には通話しかできない。無線IP電話機ならば、その上で稼働する業務アプリケーションを開発できる。構内携帯電話を、通話だけでなく業務の生産性向上にも利用したいと考えるユーザーがターゲット」と説明する。山中氏は、「企業で導入されるIP電話機のうち、2~3割は無線IP電話機になるだろう」とみている。

 無線IP電話 7920Gは、128×80ドットのモノクロ液晶、十字キーなどを備える。大きさは132ミリ×53ミリ×25ミリで、幅と厚さが一般的な携帯電話より少し大きい。重さは136g。シスコは将来的に液晶ディスプレイに日本語を表示できるようにする予定だが、時期は未定、としている。

坂口 裕一=日経コンピュータ