ノベルはこの発表文の中で米SCOグループのダール・マクブライド社長に宛てた手紙を公開している。ノベルの主張のポイントは二つ、(1)SCOはUNIXの特許と著作権を所有しておらず、それらを所有しているのはノベルである、(2)SCOはLinuxのどこがSCOの知的財産権を侵害しているのがについて十分な情報提供をしていない、である。それにより、ノベルはSCOに対して、「自社の主張を即座に具体的な形で述べるか、或いはレターに書かれた主張を取り下げることです」(ノベルの発表文より引用)と要求を突きつけている。
米ノベルとSCOは人のつながりが密接である。ノベルの名物経営者だったレイ・ノーダ(Raymond J. Noorda)が1995年に設立した米キャノピー・グループはSCOの主要株主だし、SCOのマクブライド社長は1988年から1996年にかけてノベルでバイス・プレジデントなどとして働いていた。ノベルがSCOと敵対する姿勢を示したことは驚きである。
ノベルが言う「UNIXの特許と著作権」が、SCOが言う「UNIXの知的財産権」と同一のものかどうかなどはっきりしない部分もある。SCOは5月28日にノベルに対して「SCOはUNIXについて契約を結ぶ権利を持っており、UNIXのコードが不正にLinuxに寄付されることを防ぐ権利がある。IBMに対する訴訟は特許や著作権を含まない」と反論している。日本SCOは「この件についてはマクブライド社長ほか数人しか情報を持っておらず、日本法人には情報があまりない」という。Linuxユーザーにとっては目の離せない展開が続く。