日本IBMの堀田常務 「オンデマンド・ビジネスのための開発環境」。日本IBMは5月27日、「Rational」ブランドの同社内での位置付けを正式発表した。データベース管理ソフトの「DB2」、情報共有ソフトの「Lotus」、運用管理ソフトの「Tivoli」、Webアプリケーション・ソフトの「WebSphere」と並んで、同社のミドルウエアとしては五つ目のブランドとなる。米IBMは昨年12月に米ラショナルソフトウェアを買収し、傘下に収めている。

 今回の発表に先がけ、日本IBMは5月1日付で「ラショナル事業部」をソフトウェア事業の下部組織として設立した。部長に就任した日本ラショナルソフトウェアの齊藤 肇社長は、「ラショナル製品は今後も、従来どおりオープン性を確保していく」と断言。IBMによるラショナルの買収で、ラショナルのオープン性が失われるのではないかとの見方を否定した。「口で言っているだけでは信じてもらえないので、(マイクロソフトの).NETをサポートした製品をきちんとリリースしていく」(齊藤社長)。日本ラショナルソフトウェアの社員75人も、齊藤社長と同時期に日本IBMに移った。

 日本IBMでソフトウェア事業を担当する堀田一芙常務(写真)は、「ビジネスの変革を支える柔軟なシステムを作るには、Rationalが重要なカギを握る」と強調、「顧客の要求に応えるオンデマンド・オペレーティング環境の実現に、五つのミドルウエアの役割はますます高まっていく」と続ける。

 日本IBMは同日、DB2関連の新製品「DB2 Information Integrator 8.1」を発表した。DB2やOracle、SQL Serverなど、他社製品を含めた複数のデータベースに格納された情報を統合して一元管理するための製品で、価格は89万3800円(IBM推奨価格、開発向けパッケージを除く)から。「システム統合をしなくてもデータベースの統合管理ができる特徴を生かして、合併や企業統合に直面した金融機関を中心に売り込む」(ソフトウェア事業部の安田誠 理事インフォメーション・マネジメント事業部長)。出荷は7月11日から。

大和田 尚孝=日経コンピュータ