ストレージ管理ソフトを開発・販売する米データコア・ソフトウェア)は5月16日、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)に接続された複数のストレージ装置を一括管理するソフトの新版「SANsymphony 5.1」を6月下旬に出荷すると発表した。国内では、富士通、日立製作所、IBMなどがパートナとして販売する。今回の新版発表に併せて、NECソフトもパートナに名を連ねた。

 SANsymphonyは、複数のストレージ装置を仮想化することで、異なるOSを搭載したサーバーからあたかも一つのディスクのように使えるようにする。新版は、管理者の運用負荷を軽減できるように、複数の管理コマンドを同時に実行できるようにした。ジョージ・テクセイラCEO(最高経営責任者)兼社長は、「ストレージ・システムに関わるコストはの6割~8割は管理コスト。SANsymphonyを使うことで、複数のベンダーのストレージが一元管理できるのでTCO(システムの総コスト)を劇的に削減できる」と語る。

 SANsymphonyはいわゆる「バーチャリゼーション・ソフト」だが、一つのディスク装置を複数のサーバー機で共有する際に、サーバー間で割り当てを、動的に融通できるのが特徴。あるサーバーの割り当て容量が不足したら、容量に余裕があるサーバー用のディスク領域を振り分けるといった運用が可能になる。ディスク装置の利用効率が上がるほか、ハードの増設、データ移行といった管理の手間を省くことができる。

 SANsymphonyはWindows2000上で動作する。オープン価格だが、「これまでのユーザーには1000万~2000万円程度で導入してきたところが多い」(ピーター・トンプソン データコア日本法人社長)という。

鈴木 孝知=日経コンピュータ