BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ツールを手がけるビトリア・テクノロジーは4月30日から、複数のシステムを連携させるEAI(エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)機能を備えるBPMツール「BusinessWare4」の廉価版を、今年12月末日までの期間限定で発売する。

 最大の特徴は、従来の3分の1程度という廉価版にもかかわらず、従来製品の全機能が使えること。制限事項は、BusinessWareを動作させるサーバーのプロセサ数が2個まで、ということだけ(追加料金で最大プロセサ数の増加も可能)。廉価版の価格は1500万円程度でBPMツール本体のほか、データベースへのアクセスを担う「コネクター」、開発キットなどをすべて含んでいる。「システムの導入費用と合わせても、3000万円程度に収まる」(齋藤真一ディレクター)。

 ビトリアが大幅な値引きに踏み切った目的は、BPMの“布教活動”だ。従来、ビトリアはBusinessWare4の特徴として、『EAI製品の発展形』ということを強調してきた。「ビジネス・プロセスとシステムを結びつけることができるので、業務プロセスが変わってもシステム修整が容易にできる」(齋藤ディレクター)のが、その理由だ。

 ところが、「BPMという概念は難しく捉えられがちで、なかなか浸透していないのが現状」(齋藤ディレクター)。そこでビトリアは、ひとまずEAI製品としてBusinessWareを使ってもらおうという作戦に出た。システムが稼働してから、BPMツール特有の機能を使ってもらい、利便性を感じてもらおうというわけだ。そのために、「EAI製品に比べても割安感のある値付けをした」(同)。

 ビトリアは廉価版BusinessWareの販売で、新たに数十社程度への導入を目指す。「製造・流通・公共といった、EAI製品の導入が比較的進んでいない分野をターゲットにしていく」(齋藤ディレクター)。BusinessWareの導入事例としては、日本ではサントリーやNTTコミュニケーションズ、みずほ証券などがある。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)