シャープは4月23日、中国の携帯電話市場に参入すると発表した。中国の通信設備大手の大唐電信と提携、GSM規格のカメラ付き携帯電話を10万台出荷し、4月末から販売する。

 中国では、端末数が2億台を超えた現在も、携帯電話の需要は堅調に推移している。2002年10月には画像メールの送受信サービスが始まり、ノキアやNECが発売した対応電話機は、10万円近い高価格にも関わらず品薄状態が続いている。こうした状況の中、カメラ付き携帯電話の“元祖”とも言えるシャープも中国市場に参戦する。

 今回販売する携帯電話機は、2002年10月に英ボーダーフォンと共同で欧州に投入した製品「GX10」の中国市場向けモデル。パケット通信規格GPRS準拠のデータ通信機能を備える。中国の通信キャリアが提供する携帯電話向けコンテンツ提供サービス、画像メールの送受信などが可能。

 携帯電話機のブランド名はシャープではなく、「大唐 by シャープ」となる。これについては「外国企業であるシャープが自社単独のブランドで携帯電話機を販売することは許されておらず、中国企業と協業する必要があった」(シャープ広報)と説明する。

 大唐電信は中国情報通信産業の所轄官庁である信息産業部傘下の研究部門が母体となった企業。大唐電信と提携した理由について「提携を検討した各社の中で大唐電信は最も積極的だった。またシャープは携帯電話機、大唐電信は通信設備の分野がそれぞれ強く、相互補完になる」(シャープ広報)としている。

(金子 寛人=日経コンピュータ)