産学協同プロジェクトであるSOBAプロジェクトは4月15日、ピア・ツー・ピア(PtoP)で情報共有するアプリケーションの開発・実行環境「SOBAフレームワークβ版」を公開した。SOBAフレームワークの関連サイトから無償でダウンロードできる。動作OSは、Windows 2000/XP。

 SOBAプロジェクトは、インターネット利用者が双方向に情報をやり取りする仕組み作りを目指して、PtoPを使ったアプリケーションを研究・開発する組織。2001年9月にスタートした。現在、NTTコムウェアとオムロンの2社と、京都大学、東京工業大学、早稲田大学の3大学が中心となって運営している。

 今回発表したSOBAフレームワークは、複数のインターネット利用者がデータを直接やり取りして、リアルタイムに情報を共有するアプリケーションを開発・実行させるためのもの。サーバーを介さずクライアント同士が直接データをやり取りする通信機能や、クライアント同士で情報を共有するためのソフト部品などからなる。

 ソフト部品には、(1)動画と音声をやり取りできるビデオ会議用の部品、(2)チャット用の部品、(3)複数ユーザーが同一の画像を閲覧・描画するための部品などがある。ソフト部品やアプリケーションは、SOBAフレームワークが備える専用のGUIから利用する。

 SOBAプロジェクトは今後、半年ごとにSOBAフレームワークをバージョン・アップしていく。動作OSにLinuxを追加したり、携帯電話も情報共有に参加できるようにする予定である。

 またSOBAプロジェクトでは、SOBAフレームワークそのものの開発を参加する企業と、SOBAフレームワークの上で動作するアプリケーションを開発する企業を募っている。

西村 崇=日経コンピュータ