日本BEAシステムズは4月11日、Webアプリケーション・サーバーの新版「BEA WebLogic Server 8.1J」を出荷する。インターネット経由でXML/SOAPを使って分散したアプリケーション同士を連携させる「Webサービス」に関するセキュリティ機能を充実させたのが、最大の機能強化点である。
新版で追加したセキュリティ機能は、Webサービスのセキュリティ仕様である「WS-Security」に基づくもの。WS-Securityは米IBM、米マイクロソフト、米ベリサインが中心となって策定を進めており、昨年4月に第1版を公開した。日本BEAシステムズによると、WS-Securityの仕様に基づくセキュリティ機能を搭載したWebアプリケーション・サーバー製品は、WebLogic Server 8.1が初めてという。
今回追加したデータの暗号化機能は、Webサービス同士でやり取りするデータそのものを暗号化するもの。従来は、Webサービス同士の通信路を暗号化するSSL(セキュア・ソケット・レイヤー)を利用できたが、SSLでやり取りするデータそのものを暗号化する機能は備えていなかった。
「WS-Securityによるデータ暗号化機能をSSLと組み合わせて利用することで、より高いセキュリティを確保できる」と、日本BEAシステムズの伊藤敬チーフ テクニカル ストラテジストは説明する。Webサービスでやり取りするデータに、電子署名を添付する機能も追加した。
このほか、WebLogic Server 8.1Jではアプリケーション管理機能を充実させた。これまで管理画面は「EJB(Enterprise JavaBeans)」や「JavaVM」などと分かれていたが、今回から運用担当者の仕事に応じて画面をまとめられるようにした。加えて、EJBやJSP(Java ServerPages)の処理を見直して、処理性能を旧版よりも3割向上させた。
動作OSは、Windows 2000、Solaris、AIX、hp-ux、Red Hat Linuxなど。価格は1プロセサあたり198万円。