千葉県八千代市役所は2003年10月に、国民健康保険の精算システムを試験稼働させる。同システムは、住民が国民健康保険を解約して、企業などの健康保険組合に加入する場合の精算料金を計算する。国保料金を即時計算し、住民に提示することが可能になる。現在は手計算によって精算している市役所職員の負荷を軽減するのが狙い。2003年12月まで市役所の国保窓口で手計算による作業と精算システムを並用。2004年1月からコンピュータによる計算に一本化する。

 国保の精算システムは、Windows 2000 Serverとデータベース・ソフトのSQL Serverを利用。開発作業は日本テクノ開発が担当した。

 八千代市が国保業務のコンピュータのオープン・システム化を始めたのは2001年4月から。今回の精算システムに先立ち、2001年4月に国保に関する2つのシステムをWindows 2000 Serverで稼働させた。一つは国保料の滞納者管理システム。もう一つは、住民が国保に新規加入する際に、国保加入の義務が発生する時点まで遡って未払い分を計算するシステムだ。2003年10月に稼働する精算システムは、2つの先行システムに追加開発される形になる。

 八千代市 市民部国民健康保険課の皆見隆明 主査補は、「八千代市ではこれらの取り組みにより、国保加入者が増加しているにもかかわらず、徴収率の低下を防いでいる」と説明する。そのため、八千代市には全国の自治体の国保担当者が視察に訪れているという。

 さらに八千代市では、コンビニエンス・ストアで住民が国民健康保険料金を納入できるようにすることを検討している。総務省による地方税制改革を待って、八千代市が条例を定め国保料のコンビニ収納を実現したい考え。実現すれば、これまでとは別のシステムを作ることになるが、八千代市は国保料の徴収効率の向上につながると期待している。

(鈴木 淳史=日経コンピュータ)