岩手県の北日本銀行は、今年5月に予定していた富士通製勘定系パッケージ「PROBANK」による勘定系の刷新を取りやめた。富士通がPROBANKを、当初のスケジュール通りに開発できなかったのが直接の原因。同行は2000年7月、日立製作所のメインフレーム上で動いている勘定系を、富士通のPROBANKでリプレースすると発表していた。

 北日本銀行には富士通から「PROBANKの開発が遅れているので勘定系の刷新時期を2005年5月まで延期してほしい」という要請があった。しかし、北日本銀行はこの要請は受け入れがたいと判断した。勘定系と同時に取り替える計画だった日立製営業店端末の寿命が、来年までだったからである。

 最終的に北日本銀行は、PROBANKの導入契約を解除した上で、更新時期が迫っている営業店端末だけを現在と同じ日立の製品で更新することにした。北日本銀行は今後、改めて勘定系システムの刷新を検討していく。ただ具体的な勘定系の刷新スケジュールは、「現在のところ公表できる段階ではない」(北日本銀行)という。

 PROBANKの導入を中止したのは、2002年11月の島根銀行に次いで2行目。導入を延期する羽目になった地銀も7行ある。例えばPROBANKの第1号ユーザーである福島県の東邦銀行は、今年1月の稼働時期を9月に延期している。

 パッケージの開発遅れはPROBANKに限った話ではない。北日本銀行と同じ岩手県内にある岩手銀行は今年3月、NTTデータの勘定系パッケージ「BeSTA」を使った地銀共同センターへの参加時期を2004年1月から2005年1月に延期すると発表している。岩手銀行の延期も、NTTデータからの延期要請を受けたものである。

(大和田 尚孝=日経コンピュータ)