日本ヒューレット・パッカード(HP)の社内が混乱している。すでに日経コンピュータが報じたように4月末にも高柳肇社長が退任する。一方で後任の社長がだれなのかは全く不明である。さらに同社の営業担当幹部である吉田雅彦常務執行役員も4月末に退任する可能性が極めて高い。

 4月1日には昨年11月1日に合併した旧コンパックコンピュータで、2000年12月までの2年間で36億円の申告漏れがあったことが分かった。日本経済新聞などが一斉に報じた。

 旧コンパックコンピュータの社長でもあった高柳社長は、3月31日の時点では自らの退任と査察の関係について、「面白おかしく話している人がいるようだが、そんなことは全く関係ない」と日経コンピュータに対して答えていた。

 日本HP広報は、「査察が入ったのは事実。当社は適正に税務処理していたつもりだったが、国税庁との間で見解の違いがあった。すでに指摘を受けた分については納税している」としている。吉田常務執行役員の退任については「辞めるとしても理由は査察とは関係ない」と答えている。

(中村 建助=日経コンピュータ)

【訂正】 「吉田雅彦常務執行役員も4月末に退任する可能性が極めて高い」とありますが、その後の調査で事実誤認であることが判明しました。この部分を削除いたします。また記事中に「査察」とあるのは「税務調査」です。お詫びして訂正します。