日本ヒューレット・パッカード(HP)の高柳肇社長が、4月末にも退任する可能性が高いことが本誌の取材で分かった。後任の社長は不明。高柳氏は日本HPとコンパックコンピュータの合併に伴って、2002年11月に同社の社長に就任したばかり。買収された側の社長が買収した会社の社長になったことが話題になった。

 同社の決算期は11月であり、任期途中の社長退任が現実になれば異例のことである。退任の場合、その理由は不明。だが、高柳氏は2002年末以降、一時的に入院したとも言われており、体調不良が原因ではないかと推測する向きもある。

 高柳氏は日本IBMに入社した後、1985年6月に日本タンデムコンピューターズの社長に就任した。その後タンデムコンピューターズの米本社が米コンパックコンピュータに買収されたことに伴い、両社の日本法人が1998年1月に合併したのと同時に、コンパックコンピュータ日本法人の社長に就任した。

 本誌の問い合わせに対して、日本HP広報部門は「そういった話は聞いていない」と回答している。

(中村 建助=日経コンピュータ)