ビジュアルテクノロジーは3月25日、ブレード・サーバーの新製品「VT-PC Blade Cluster/XC」を発表した(写真)。同日から販売を始め、4月には顧客への納入を始める見通しである。半導体製造装置の保守、LSIやソフト開発などを行っているジェイエムネットと共同開発した製品で、CPUに米トランスメタのCrusoeを採用したのが特徴だ。Crusoeは携帯性を重視したノート・パソコンで使われることが多く、サーバーに採用するのは珍しい。
Crusoeを採用したのは、Crusoeの消費電力と発熱が少ないから。発熱が少ないため、高さ2U(1U=44.45mm)のラックマウント型きょう体に、最大20枚(20ノード)のブレードを装着できた。写真のラックでは10きょう体、200ノードが動いている。背丈が高いラックなら、1ラックに400ノードを入れることもできる。CPUの消費電力が少ないため、ブレード20枚を搭載した状態でも、サーバーの消費電力は150ワットで済む。
VT-PC Blade Cluster/XCのブレードには、Crusoe TM5800(867MHz)、1GBのメモリー、32MBの半導体ディスク、1GbpsのLANインタフェース2基が搭載される。ブレード上に磁気ディスク装置、冷却ファンのような回転する部品がないため、信頼性が高く、静かであるという(ただし、電源ユニットには冷却ファンがある)。32MBの半導体ディスクには起動用のRed Hat Linux 7.2と、独自開発の負荷分散ソフトを格納し、ほかのプログラムやデータは、LAN経由で利用する。
価格は1きょう体に20枚のブレード、5個の電源ユニットを付けたものが698万円。主な販売先は、プロバイダ(ISP、ASPなど)と、大学などの研究室だ。前者は数が多いため高密度と低消費電力が求められ、後者は設備が十分でないため低消費電力や静粛性が求められるという。ビジュアルテクノロジーの川股要一代表取締役会長兼社長は「顧客のニーズがあって作った商品。電力系の企業から引き合いが多い。かなりの量を販売できると思う」と語った。