ポータル・サイトを運営する エキサイトが、2003年3月期に初めて年間で黒字を計上する見込みであることが分かった。同社は正式に業績は公表していないが、年間売上高35億円、経常利益1億5000万円程度を見込んでいる模様。

 現在、エキサイトが同名で運営するポータル・サイトの1日当たりのページ・ビューは2500万ほど。ポータル・サイトとしてはそれほど多いものではない。しかし、エキサイトはブロードバンド普及の流れを受けて、単なるバナー広告だけでなく、サイトにアクセスするといきなり画面全体を覆う形の広告といった新サービスを展開してきた。エキサイトによれば、こうしたサービスによって、自社サイトよりもページ・ビューが多い競合サイトに比べて高額の広告料を請求できているという。この戦略が黒字化に奏功した。

 さらにエキサイトは、他のポータル・サイトと同様に携帯電話向けコミュニティ・サイトや、インターネット接続サービス、ブロードバンド・ユーザー向けの動画の配信といった有料コンテンツを自社サイトに導入してきた。また企業向けのシステム・インテグレーション・サービスも手掛けている。これらの有料サービスの伸びも黒字化に貢献している。現在では同社の売り上げのなかで、広告によるものは全体の6割程度にまで下がっている。

(中村 建助=日経コンピュータ)