「ICタグは当社のビジネスを拡大するビッグチャンスだと思っている」。米NCR Teradataディビジョンのダン・オデット バイス・プレジデント(写真)は、こう語る。
ICタグとは、ごま粒大のICチップと無線通信用のアンテナからなる超小型装置のこと。固有のIDを内蔵するICタグに付加情報を格納し、商品一つひとつに装着することで、文字通り「単品管理」を実現できる。サプライチェーンにおける商品の動きを従来よりきめ細かく把握し、顧客サービスの向上や社内業務の効率化に役立つと期待されている。
オデット氏が大規模向けデータベース・システム「Teradata」の事業に勝機を見出しているのは、ICタグによって、大量の商品情報が発生するからだ。ICタグには、商品の製造元やカテゴリに加え、原材料の調達先や品質テストの結果、工場から倉庫へ輸送する際の温度といった情報を付加できる。こうした情報を格納したICタグがあらゆる商品に取り付けられると、「商品管理で一般的に使われているバーコードの、4~10倍のデータが発生する」(オデット氏)という。
企業は、顧客サービスの向上や社内業務の効率化を実現するために、このように氾濫するデータを収集する必要がある。そして目的に応じて解析する仕組みを構築しなければならない。NCRは、これに貢献できるという。
オデット氏は「他社のデータベース・システムは、現在のデータ量を処理することに苦労している。だが、Teradataはすでにテラバイト規模のデータを管理する企業のデータベース・システムに採用されている。Teradataに格納したデータを解析するサプライチェーン管理ソフトも提供している」という。