米インテルは3月10日、サーバーおよびワークステーションをターゲットにしたプロセサ「Xeon」の3GHz版(システム・バス400MHz)と3.06GHz版(システム・バス533MHz)の出荷を始めたと発表した。パソコン用のPentium 4については昨年11月14日に3.06GHz版を出荷していたが、サーバー用プロセサで動作周波数が3GHzを超えたのは今回が初めて。

 Pentium 4とXeonは、2次キャッシュ容量が512KBである点は共通だが、Pentium 4は1プロセサのみで使う製品で、Xeonは1または2プロセサ構成で利用できる。同社の32ビットCPUには、さらに多くのプロセサでマルチプロセサ構成ができ、キャッシュ容量が1MBや2MBと大きいXeon MPもあるが、こちらの動作周波数は現在2GHzが最高で、周波数では見劣りする。

 Xeon 3GHzおよび3.06GHzと他プロセサとの価格の違いは以下の通り。

製品名希望リスト価格発表時期
Xeon MP 2GHz3692ドル2002年11月
Xeon MP 1.9GHz1980ドル2002年11月
Xeon MP 1.5GHz1177ドル2002年11月
Xeon 3.06GHz722ドル2003年3月
Xeon 3GHz658ドル2003年3月
Pentium 4 3.06GHz637ドル2002年11月
Xeon 2.8GHz455ドル2002年11月
Xeon 2.6GHz337ドル2002年11月
Xeon 2.4GHz234ドル2002年11月
Xeon 2GHz198ドル2002年11月

 Xeonの2.8GHzに比べると3GHzと3.06GHzは割高だ。「3GHz」という目新しさの分だけ高くなっていると考えてよいだろう。目新しさと割高さをどう評価するかで、メーカーの対応は分かれている。

 積極的なのはNECだ。Xeon 3.06GHzを1プロセサ搭載し、将来2プロセサ構成にできる製品を3月11日に発売、出荷を始める。具体的にはワークステーション「Express5800/56Xa」(59万8000円)、タワー型サーバー「同120Mf」(69万8000円)、ラック型サーバー「同120Rd-1」(63万4000円)、「同120Rf-2」(67万2000円)の4製品だ。

 デルコンピュータはワークステーション「Precision 340/350/450/650」でXeon 3.06GHzを選択できるようにした。340のキャンペーン・モデルなら、27万7500円でXeon 3.06GHzのマシンが手に入る。ただ、サーバーに関しては、「ここ2~3カ月は製品化を予定していない」ということだ。日本ヒューレット・パッカードは、「5月か6月に3GHz以上のXeonを搭載した製品を投入する」予定である。

(原田 英生=日経コンピュータ)