カール・アジアパシフィック(CAPC)は今月から、次世代Web言語「Curl」の価格を大幅に値下げした。これまで開発者向けライセンスは有償で(5ユーザー・ライセンス込みで30万円から)、実行ライセンスは最低150万円だった。これを開発者向けライセンスを無償にして、実行ライセンスは40万円(最大20同時アクセス・ユーザー)からに変えた。価格を改定することで、Curlの普及促進を狙う。

 Curlは、米国防総省や米マサチューセッツ工科大学による共同研究から生まれたWeb向け開発言語。Webアプリケーションの実現に必要な様々なソフト開発を一つの言語で可能にすることが特徴。JavaやC++と同じく本格的なオブジェクト指向言語であるとともに,JavaScriptのように簡易なスクリプト言語としても使える。さらにHTMLやXMLのようなマークアップ言語でもあり,FlashやShockwaveのように音声や2次元・3次元の画像を扱う機能も実装している。

 クライアント・サイドの言語である点も特徴の一つ。コンテンツやアプリケーション・ソフトをサーバーからダウンロードし,実行時にコンパイルしてクライアント側で動かす形をとる。Javaのアプレットと似ているが、「Javaアプレットよりもサイズが小さいうえ、アプレットよりも機能が豊富なクライアント・アプリケーションを作れる」と、クオリテックの福岡博文社長は話す。クオリテックは、CAPCと協力して日本で最も早くCurlの技術を取り入れ、サービスを開始しているパートナ企業である。

 今回の価格改定をきっかけに、CAPCやクオリテックなどはCurlに関するビジネスを本格的に立ち上げる。「ここにきて、クライアント/サーバー・システムの再構築を計画する企業が増えている。それらの企業は『次はWebアプリケーションの形をとりたい』と考える一方で、『クライアントがWebブラウザというサーバー重視の形では使い勝手が悪い』としている。そのような企業がCurlに興味を持ってくれている」と福岡社長は話す。クオリテックは年内に10ユーザーの獲得を目指す。

田中 淳=日経コンピュータ