ノベルは3月14日に、J2EEベースのWebアプリケーションやWebサービスを開発・実行するためのソフト群「Novell exteNd」の出荷を開始する。Novell exteNdの前身は、米シルバーストリーム・ソフトウェアの「SilverStream eXtend」。昨年米ノベルがシルバーストリームを買収したのを受けて、ノベルが新製品として発表した。「新製品を機に、Webサービスを使った製品販売やコンサルティング・サービスを本格展開していく」と、ノベルの吉田仁志社長は意気込みを語った。

 Novell exteNdは、(1)Novell exteNd Composer 4.1、(2)Novell exteNd Director 4.1、(3)Novell exteNd Application Server 4.0という三つの製品からなる。(1)のComposerは、Javaアプリケーションを開発するためのツール。他システムとのデータ連携機能を備えており、IBMメインフレームzSeriesやAS/400の端末エミュレータ機能、独SAPのERPパッケージ(統合業務パッケージ)「R/3」とデータをやり取りする機能などを備える。

 (2)のDirectorは、社内外のシステムから取り込んだ情報を一元的に表示するポータルを開発するための製品。コンテンツ管理機能やデータ検索機能、ワークフロー機能といった、ポータルを構築・管理する機能を備える。(3)のApplication Serverは、(1)や(2)を稼働させるための実行環境である。(1)と(2)は、IBMの「WebSphere」や米BEAシステムズの「WebLogic」といった他社製のWebアプリケーション・サーバー上でも利用できる。

 以上の機能は、基本的にSilverStream eXtendとほぼ同じである。「新版を投入するにあたり、セキュリティ管理用ソフト群『Novell Nsure』などとの動作検証をするなど、当社の他製品との親和性を高めた」と、ノベルマーケティング本部 プロダクトプランニンググループの高橋克也マネージャは説明する。

 動作OSは、Windows 98/NT/2000、Solaris、AIX、hp-ux、Linux。ユーザー単位の価格設定をとる「Developer Edition」の市場推定価格は、(1)が14万円から。(2)が18万円から。(3)が6万9000円から。プロセサ数ごとに価格が決まる「Enterprise Edition」などもある。

 Novell exteNdの国内における販売代理店は、SilverStreamの販売代理店だったテクマトリックスになる見込み。ノベルは今後、販売代理店の数を増やしていきたい考え。

西村 崇=日経コンピュータ