米サヴィオンのモハマド・ケタブチCTO
 「『人間が行っているワークフロー』と『各部門で稼働している業務システム』の両方をプロセスとしてとらえたうえでボトルネックを明らかにし、ビジネスを改善していかなければならない」。BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ツール・ベンダーである米サヴィオンの創設者兼チェアマン、モハマド・ケタブチCTO(写真)は、今、企業が成長していくためには人間が行っている処理とシステムとの連携をスムーズにしていくことが欠かせないと主張する。

 BPMツールとは、業務の流れを統合的に管理し、それに基づいて複数のシステムを滞りなく実行させるためのもの。ケタブチ氏によると、米国では最近、BPMツールへの関心が高まっているという。その背景には、ビジネス環境が急激に変化していることと、企業の中でさまざまなシステムが使われ始めていることがある。市場などが変化すれば、それに合わせて自社のビジネスを変えていかなければならない。そこでは既存のITリソースをいかにバランス良く使い、最大の効果を出すかが重要だ。ただ、セールス・マネジャやプロダクト・マネジャといったビジネス・パーソンと、ITの専門家との間にはギャップがあり、必ずしもうまくいってはいない。

 一つの業務の流れを見た場合、あるステップではシステムが、別のステップでは人間が処理をして、また別のステップでは人間がシステムを利用することで次に進んでいく。そのどちらかだけに注目しても、全体としてのボトルネックがどこにあるのかはわからない。また、ボトルネックがわかったときに、どのようにプロセスを組み立てなおすのがベストかを考えるのは大変である。そこで、人間の処理とシステムの両方をプロセスとしてとらえ、業務の流れを“可視化”することが大切である、というのがケタブチ氏の考えだ。

 サヴィオンは「Savvion BusinessManager 4.0」というBPMツールを提供しているが、「日本は米国以上にBPMツールが有効活用される市場」(ケタブチ氏)と考えている。「企業ごとに独自の業務プロセスを持っており、それを可視化したり、変更したりするニーズが高いからだ」(同)。そこで、既存の代理店に加え、国内の大手システム・インテグレータともアライアンスを組み、販売を強化していく予定である。

小原 忍=日経コンピュータ