磁気テープ装置やディスク装置を販売する日本ストレージテクノロジーは2月14日、2003年の事業方針を発表した。ジョン・エス・スクロッポ社長(写真)は、2003年に注力するポイントとして「ストレージ管理の自動化」と「異機種SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)の構築・運用」を挙げる。

 ストレージ管理の自動化については、ソフトの強化を図る。まず米国で来週、ストレージ管理ソフト「Application Storage Manager(ASM)」の新版を発表する。ASMは、データのアクセス頻度を監視し、アクセス頻度が少ないデータを、処理が遅いディスクやテープ装置へ自動的に移す機能を持つ。この機能を使えば、「高価なストレージに無駄なデータを保存せずにすみ効率的に使えるようになる。ストレージ管理者の手間の軽減にも効果的だ」(スクロッポ社長)。

 ASMの機能を生かすためには、アクセス頻度が少なくなったデータの受け入れ先になるストレージが必要となる。同社は、「性能はそれほど高くないが、コスト・パフォーマンスに優れたディスク装置」(スクロッポ社長)の製品ラインナップを充実させる。

 異機種SANの構築・運用に関しては、主要なベンダーのサーバー、ストレージを網羅的に扱えるような人材を育成する。特に、SAN技術の標準化や異機種ストレージの相互接続を推進している業界団体SNIAが認定する資格を積極的に取らせていく。吉川知男マーケティング本部長は、「2002年に社内SEの3分の1がSNIAの認定資格を取得した。2003年にはSE全員が取得する」という。

 吉川本部長は、「SAN構築に関しては、5年以上の実績がある。最近は、複数ベンダーの機器を使うようなSANを構築する場合などに、コンサルタントとして業務を請け負う機会も増えてきた」と語る。これは、異なるベンダーのストレージやサーバーと接続しなければならないテープ装置ベンダーならではの経験を生かしたものである。

鈴木 孝知=日経コンピュータ