シスコシステムズの黒澤社長 「私の経験からいうと、新製品や新技術は西日本でまず受け入れられ、東日本へ広がっていく」。こう語るのはシスコシステムズの黒澤保樹社長(写真)。シスコシステムズと、NTT西日本のシステム運用子会社であるNTTネオメイトが2月12日に行った、両社の協業に関する発表での発言である。
 
 黒澤社長は、「自治体主導で行っている高速ネットワーク構築の取り組みなども、岡山県や兵庫県、福岡県といった西日本が進んでいる。西日本の首長のほうが、IT化推進への危機感が強いのではないか」と語る。加えて、「以前の会社にいたときも、新製品をだすとファースト・ユーザーは、なぜか西日本の会社だったことが多かった」と述懐する。

 NTTネオメイトと協業する理由は、「地方でもくまなくカバーできる保守・運用能力を持ったパートナ企業を模索していた」(黒澤社長)からである。従来、シスコの売り上げのほとんどが官公庁や大企業向けのものだった。シスコは昨年来、中小企業への攻勢を強めている。黒澤社長は、「中小企業向けビジネスによる売り上げの割合を、今年度中に総売上の20%にまで引き上げたい」と語る。

 シスコは、NTT東日本のシステム運用子会社であるNTT-MEとの協業に関しても、話を進めている。

鈴木 孝知=日経コンピュータ