マイクロソフトは、4月にも発売する開発ツールの新製品「Visual Studio .NET 2003(バージョン7.1)」を、既存ユーザーに無償で提供する方針を固めた。Visual Studio .NET(Visual Studio .NET 2002とも呼ぶ、バージョン7.0)のProfessional、Enterprise Developer、Enterprise Architectのいずれかを持つ登録ユーザーに、2003のCD-ROMを送付する。

 マイクロソフトによれば、今回無償提供を決めた理由は、「7.0から7.1というマイナー・バージョンアップであるし、すでにVisual Studio .NETを購入している人は当社にとって大事なお客様だから」。ただし、実売価格が1万2800円前後と安価なVisual Basic .NET Standard、Visual C# .NET Standard、Visual C++ .NET Standardは無償バージョンアップの対象にならない見込みだ。「学習用という位置付けだし、価格も抑えている。そのユーザーに対するバージョンアップの提供方法は検討中」(同)。

 Visual Studio .NET 2003の特徴は、(1)プログラムの開発/実行の基盤となる.NET Frameworkを1.0から1.1に更新する、(2)モバイル機器を想定した開発を可能にする、(3)Java言語による開発ができるVisual J#を追加、など。出荷は .NET Framework 1.1を搭載するサーバー製品であるWindows Server 2003と同時期で、米国で4月、日本で4月か5月ごろと見られる。

原田 英生=日経コンピュータ