経済産業省は、2003年5月をメドにCMMI(能力成熟度モデル統合)の日本語版解説書を発行する。開発元の米カーネギーメロン大学ソフトウエア工学研究所(SEI)が作成した英語の原文を和訳したもので、Webサイトで公開し、閲覧・ダウンロードできるようにする予定である。

 CMMIはソフトウエアの開発プロセスを改善するためのモデルで、CMM(能力成熟度モデル)の後継版。これまで、CMMIに基づくプロセス改善を実施するための詳細な日本語版資料はほとんどなかった。

 このため、経済産業省は専門家に依頼して和訳を進めてきた。現在、単語や文章の整合性を調整中で、「今春、5月までに発行する予定」(情報処理振興課)という。

 経済産業省は、CMMIについて低コストで学習できるように、日本国内で日本語による研修を行う。このために「2億5000万円」(情報処理振興課)を来年度政府予算案として計上している。

 経済産業省情報処理振興課は、日本での研修によって主任評価者(リードアセッサ/リードアプレイザ)などの資格が得られるようにすることも考えており、米国のSEIと交渉中だ。

 CMMI活動を実施しようとしても「研修やレベル達成の評価(アセスメント/アプレイザル)にコストがかかりすぎる」と見る企業が多い。中堅・中小企業を中心に「安価にCMMI活動を実践できないものか」という声が強かった。

安保 秀雄=日経コンピュータ