日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、必要に応じて無停止でサーバーのプロセサを即時追加できる「キャパシティ・オン・デマンド(COD)」サービスの拡充を予定している。現在はプロセサだけを対象としているが、これを他のパーツにも広げる。詳細は不明だが、メモリーなどが対象になる見通し。数カ月以内には正式発表・実施する。

 日本HPのCODサービスの名称は、「インスタント・キャパシティ・オン・デマンド(iCOD)」。サーバーの導入時にあらかじめ予備のプロセサを搭載しておき、必要になった時点でサーバーを停止せずにプロセサを追加できる、というサービスだ。追加したプロセサの代金は、その時点で支払う。ユーザーが不特定多数でピーク時の負荷を予測しにくい,一般消費者向け電子商取引(BtoC)サイトのシステムなどに適している。今後、プロセサ以外のパーツでも同様の追加をできるようにする。現在のiCOD対象機種は、hp server rp5470、同rp7410、同rp8400、およびhp superdomeの4サーバー製品である。

 同様のサービスには、サン・マイクロシステムズの「キャパシティ・オン・デマンド(COD)」、日本IBMの「キャパシティ・アップグレード・オン・デマンド(CUoD)」などがある。このうち、日本IBMがメインフレームであるeServer zSeries向けに提供しているCUoDのみがプロセサとメモリーを対象としているが、サンのCODや、pSeries、iSeries向けのCUoDはプロセサのみが対象である。

 日本HPは昨年12月に自律コンピューティング構想「Utility Data Center(UDC) R1.1」を発表し、処理量の変動や機器障害が起きても動的にリソース配分ができる仕組みを提供し始めた。現在はUDCとiCODを組み合わせて利用できないが、今年秋以降に提供を予定しているUDC R2.Xで、連携機能を持たせる予定である。

小原 忍=日経コンピュータ