日本オラクルは1月16日、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)の新版「Oracle E-Business Suite 11i リリース8」の出荷を始めた。今回から動作OSにSolarisやhp-ux、Windowsなどに加えてLinuxを利用できるようにした。同社がLinuxで動作する業務アプリケーションを出荷したのは初めて。

 日本オラクルは現在「Unbreakable Linux」という“うたい文句”のもと、Linuxによるシステム構築の推奨を進めている。今回のLinux対応もその一環だ。Linuxディストリビューションとして、レッドハットの大規模向けLinuxの「Red Hat Advanced Server 2.1」とミラクルリナックスの「Red Hat Advanced Server 2.1 powered by Miracle」を利用できる。

 Oracle E-Business Suiteは、国内で350社を超える導入実績を持つERPパッケージ。新版のリリース8では、財務・資金管理モジュール「Oracle Treasury」を強化した。例えば、金融商品を分析するリスク管理機能や日本に特有の利息計算に関連する機能を新たに搭載した。また、資材などの調達時に使う仕入れ先の選定業務用モジュール「Oracle Sourcing」を機能強化した。インターネットを介したリアルタイムの交渉や、調達実績の分析や仕入れ先評価にリアルタイムのデータを利用できるようにした。価格は会計モジュールだけの最小構成で250万円(5ユーザー)から。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ