「インターネットで現在公開されているUDDIビジネスレジストリの中には、“利用できないWebサービス”の情報が少なくない」。オージス総研の米国法人OGISインターナショナルの大場克哉ゼネラルマネジャーはこのように指摘する。大場ゼネラルマネジャーは、OGISインターナショナルでWebサービスやJava、UMLなどに関連する製品やサービスの開発に取り組んでいる。

 UDDIビジネスレジストリとは、インターネットで公開されているWebサービスのディレクトリ・サービスのこと。現在NTTコミュニケーションズや米IBM、米マイクロソフト、独SAPが運営を担当している。

 大場ゼネラルマネジャーが指摘する「利用できないWebサービス」とは、UDDIビジネスレジストリに登録されているのにもかかわらず、Webサービスのインタフェース記述言語「WSDL」で書かれたインタフェースから呼び出すことのできないWebサービスを指す。「2002年春ごろに、UDDIビジネスレジストリの中身を調べた。すると、Webサービスとして利用可能なWebサービスは50件しかなかった。多くはWSDLを公開するURLやWebサービスの公開元のURLが無効になっていたり、そもそもWSDLインタフェースを持っていなかった」(大場ゼネラルマネジャー)。

 OGISインターナショナルはこのようなUDDIビジネスレジストリの不便さを解消することを狙い、インターネット上で実際に利用可能なWebサービスを無料で検索できるサービス「XGrotto」を2002年11月に開始した。XGrottoには、実際に利用可能であることを確認したWebサービスだけを登録。「現在、検索可能なWebサービスは、二百数十種類。今後、より増やしていきたい」(大場克哉ゼネラルマネジャー)。

 XGrottoはこのほか、自動的にクライアント・ソフトを生成し、検索したWebサービスの動作を確認できる“お試し”機能も提供する。「今年3月末をめどに、複数のWebサービスを組み合わせて一連の処理ができるようなワークフロー機能を試せる仕組みをXGrottoに追加していきたい」と、大場ゼネラルマネジャーは意気込む。

 XGrottoは現在英語版のみ。日本でXGrottoのサービスを提供するかどうかは、3月までの成果を見て判断する考えだ。

西村 崇=日経コンピュータ