日本ヒューレット・パッカード(http://www.hp.com/jp/)が1月8日、コンパックコンピュータとの合併後初めて、IAサーバー「ProLiant」の事業戦略を発表した。下位機については、従来に比べて最大37%という大幅な値下げを断行。これをテコにシェアの拡大を目指す。一方、上位機については、独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)と手を組み、ハードとソフトを組み合わせた"ソリューション"の販売に力を入れる。

 日本HPでIAサーバー事業の指揮を執る樋口泰行執行役員は、「IAサーバー市場は2極化する方向にある。下位機は、どんどんコモディティ化してきている。ボリュームで勝負する市場になった。上位機は、ミッション・クリティカルな用途でも使われるようになってきており、ソリューションを充実させることが重要になった。それぞれ市場の違いを明確にし、それぞれに合った戦略を実行していく」と意気込む。

 下位機市場向けの具体策としては、5~37%の値下げを実施する。「この市場で圧倒的な強さを誇る競合会社(本誌注:デルコンピュータのこと)の価格体系を研究した。ラック型の中下位機『ProLiant DL360』や『ProLiant DL380』の定価は、ほぼ同等の金額になっている」(日本HPの上原宏ビジネスプランニング本部長)という。日本HPはこれに加えて、プロセサ、メモリー、HDDなどのオプション製品の価格も改定。プロセサで平均44%、メモリーで平均32%値下げした。新価格の訴求力を高めるため、広告にも力を入れる。「1月だけでも、テレビを中心に2億円の広告費を集中投入していく」(同)。

 ISVとの提携は、「ProLiantソリューション・ブリッジ戦略」と呼ぶ。第一弾として、Windowsアプリケーションのマルチユーザー化ソフト「MetaFrame」を販売するシトリックス・システムズ・ジャパン(http://www.citrix.co.jp/)と提携した。

ブリッジ戦略では「HPソリューション・コアチーム」を設置して、複数のISV製品とProLiantを組み合わせたソリューションを開発していく。ISVとの間では、ソリューションの動作検証や共同マーケティング、障害時に必要となるエスカレーション・プロセスも作っていく。販売パートナとも協力し、共同販売体制を築いていく方針だ。「シトリックス・システムズ・ジャパンとの間に築く協調体制を基にして、これを他のISVとの間にも横展開していく」(上原本部長)。

森 永輔=日経コンピュータ