オープンソース・ソフトを使ったシステム構築サービスを有償で提供する仮想企業(バーチャル・カンパニー)が発足した。大手メーカーやシステム・インテグレータなど約30社が12月27日、「オープンソーステクノロジーアライアンス(OSTA)」の名称で設立した。サン・マイクロシステムズのほか、システム・インテグレータのSRAや東洋ビジネスエンジニアリングなどが名を連ねる。そのほか、パソコン・サーバーの大手メーカーや各種サーバー販売で実績を持つ大手システム・インテグレータも参加を検討している。2003年1月から事業を開始する。

 OS(主にLinux)だけでなく、ミドルウエア・ソフト分野(PostgreSQLなど)や業務アプリケーション・ソフトまで含めた各種オープンソース・ソフトを使ったシステム構築を一貫して手がける。システム環境の調査や要件定義、設計、開発、保守・運用に至る一連のサービスをメニュー化して、有償で提供する。OSTAの加盟企業がそれぞれの得意分野を分担して提供する。

 官公庁/自治体や大手企業はオープンソースに興味を示していても、ボランティア・ベースの保守サポートを嫌って、採用できないケースがある。OSTAは有償サービスによって、こうした不安の払拭を目指す。OSTAの加盟各社が共同で、官公庁/自治体の入札に参加する計画もある。

 OSTAはサービス料金の根拠や、加盟各社間の分配を積極的に開示していく。動員できるエンジニアの名簿も作成し、一般に公開する。個別のユーザー向けにOSTAが開発したアプリケーションやミドルウエアのうち、セキュリティ上の問題がないものは、オープンソースにしてもらうようユーザーに依頼する。

 OSTAの主幹企業はリナックスカフェ(http://www.linux-cafe.jp/)。同社は、オープンソース・ソフトを利用したシステム構築のコンサルティングなどを手がけている。OSTAとしては、最初の1年間(2003年)で約10億円の売り上げを目指す。2004年は50億円という目標を掲げる。

(鈴木 淳史=日経コンピュータ)