「今後ERPパッケージに求められてくるのは、ベスト・オブ・インテグレーションだ」。ERPパッケージ(統合業務パッケージ)・ベンダー蘭Baanのローレンス・ファン デターグ社長はこう指摘する。ベスト・オブ・インテグレーションとは、主に他の企業のシステムとの連携のしやすさを指す。
「今後重要になるのは複数企業間でサプライチェーンを構築すること。それにはWebサービスのように取引先企業が持つシステム同士を容易に連携する技術が今後重要になる」と、ファン デターグ氏は続ける。
Baanは、ERPパッケージ「iBaan」の次期バージョン(開発コード名GEMINI)に、アプリケーション間連携技術としてWebサービスを利用可能にする機能を盛り込む。Webサービスの標準プロトコル「SOAP」などを利用して、異なるシステムとXMLデータをやり取りできる。GEMINIは早ければ来年中ごろの出荷を予定している。
ファン デターグ氏は、「ベスト・オブ・インテグレーションは、“ベスト・オブ・ブリード”の次の、ERPパッケージを象徴するキーワードになる」という。ベスト・オブ・ブリードとは、ERPパッケージと他ベンダーのサプライチェーン管理用ソフトやCRMソフトを組み合わせて利用するシステム形態を指す。ただし、複数企業にまたがるシステム間の連携までは含まれていなかった。
「これまでにも、サプライチェーンを構成する各企業のシステムを連携する技術が提案されている。しかしシンプルに使えないものが多い。Webサービスを利用すれば、複数企業間でのインテグレーションが容易になる」とファン デターグ氏は、Webサービスのメリットを強調する。