インターネット視聴率調査大手のネットレイティングス(http://www.netratings.co.jp)は16日、インターネット利用動向のデータから選んだ「2002年10大トレンド」を発表した。これはアクセス数やユーザー数などの利用動向データをもとに同社のアナリストが判断・選択したものである。

 その「2002年10大トレンド」では、まずADSLの利用者急増、検索サイトのGoogleや書籍・音楽ソフトのEC(電子商取引)サイトなどのアクセス数増加に着目。このほかに、ハリーポッターやワールドカップ、V字回復を遂げた日産自動車など、世間で話題になった事象に関連するサイトが軒並みアクセスを急増させ、流行とインターネットの相関関係が浮き彫りになったとしている。

 厚生労働省が運営する就職サイト、ハローワークのWebサイトのページビューも、前年同期比455%も増え、「不況」や「就職難」という世相が如実にインターネットに反映したとする。

 同社が選んだ10大トレンドは以下の通り。

・ADSLが普及、ブロードバンド・ユーザーが4割に
・Google急上昇、キーワード検索はビジネス・チャンス
・Eコマースは安心して買える書籍とAV(音楽・映画)ソフトが好調
・コンピュータ・ウィルスから身を守るにはワクチンを打て
・W杯サッカーアジア初開催、にわかファンはYahoo!に集中
・ハリーポッター、ブームふたたび
・失業率上昇、転職・再就職先はネットで探すのが常識
・日産V字回復でウェブも好調、これもゴーン効果か
・金融業界でもネット活用が定着、商品比較もカンタン
・公式ページで直接ファンに語りかける芸能人が増加

 ネットレイティングスの須藤修司チーフアナリストは、「この時期恒例のヒット商品番付や流行語大賞では、ワールドカップやハリーポッター、タマちゃんなどが選ばれているが、Webにおいても関連サイトへのアクセス増加という形で現れている。ブロードバンドの普及に伴い、すっかりネットが日常生活に定着したことで、一般的な流行がそのままネット視聴に反映される時代になった」とコメントしている。

井上 理=日経コンピュータ