米ユナイテッド・リナックスのポーラ・ハンター ゼネラルマネジャー 「今後のUnited Linuxの普及策として、独立系ハードウエア・ベンダー(IHV)向けとエンジニア向けの新プログラムを考えている。来年1月にも詳細を発表する予定だ」。米ユナイテッド・リナックスのポーラ・ハンター ゼネラルマネジャーはこう語る。ユナイテッド・リナックスはLinuxディストリビュータ4社(ブラジルのコネクティバ,米SCO、独スーゼ,日本のターボリナックス)が共同出資で設立した会社。United Linuxの開発やマーケティングを管理する事務局的な機能を持つ。United Linuxは4社が共同開発したLinuxディストリビューションである。

 ハンター ゼネラルマネジャーは、「IHVに対しては『テクニカル・パートナー・プログラム』を考えている。IHVはUnited Linuxの『テクニカル・パートナー』になることで、United Linuxの開発作業の一部に参加でき、United Linuxとより親密な関係を築ける」と説明する。テクニカル・パートナーになるには会費が必要となる。

 テクニカル・パートナーになると、United Linuxに追加したい機能を推薦するための「テクニカル・アドバイザリー・ボード」に参加する権利を持つ。しかし、一つのテクニカル・パートナーからは1人しか参加することはできない。

 テクニカル・アドバイザリー・ボードで決定した追加機能は上記4社の技術担当者が集まる会議「テクニカル・ステアリング・コミッティ」で審議される。次期製品に反映するかどうかの最終的な決断はこの会議で行われる。また、テクニカル・パートナーはUnited Linuxが今後用意するサポート・プログラムで技術的なアドバイスを受けられる。このサポートは会費とは別に有償となる。

 一方、「エンジニア向けには国際的な認定技術者制度と開発環境を用意する予定」(ハンター ゼネラルマネジャー)だという。認定技術者試験のコースや内容は1月にも公表する。開発環境はUnited Linux上のアプリケーションを開発するためのもの。他OSからのポーティング・ツールなどを含む。Webサイトからの無償ダウンロードができる形式にするという。

矢口 竜太郎=日経コンピュータ